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『根付師 陽佳』、ときどき「湖蝶」、ところにより「桃生蛙子」

根付作品を中心に篆刻作品や書作品を自分で撮った記録写真とともに紹介しております。

Category :  根付師「陽佳」
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 仙人の行方・・・


あの、蓬莱山の仙人は
鶴に乗ってどこへ出かけたのか。。


ここにいました!!

もう一つの「蓬莱山」で
そこの住人たる仙人と
のんびりと “碁” を打っています

© 陽佳 2009「神亀 蓬莱山」DH000034.jpg  



≪蓬莱山の後日談≫

本来根付は、ポケットのない“きもの”を着て生活する際に、
煙草入れや巾着、印籠などを腰から提げて携帯する場合の
帯に引っ掛けるための留め具ですので、
紐通しの穴の位置は
根付の下に提げ物がぶら下がるように
考えて空けられています。

ですので、
根付自体を単体でカバンに提げて楽しむという事は
できない構造なのですが、
蓬莱山を所有するお客様から、
ぜひ蓬莱山をカバンに提げて楽しみたい
というご要望があったのです。
根付自体を提げるためには
根付上部中央に穴が無ければなりません、

さてどうしようかと思案に暮れていると、
“もしかしたら仙人の数だけ蓬莱山があるのかも…”
そんな、思いがふと浮かびました。
そこで、
根付「蓬莱山」の対(つい)となる、

もう一つの 提げれる“ 蓬莱山 ” を創ることに。

© 陽佳 2009「神亀 蓬莱山」DH000042.jpg 
© 陽佳 2009「神亀 蓬莱山」DH000043.jpg 
© 陽佳 2009「神亀 蓬莱山」DH000044.jpg 
© 陽佳 2009「神亀 蓬莱山」DH000036.jpg 

© 陽佳 2009「神亀 蓬莱山」DH000038.jpg 


神亀の腹の「壽」の篆書文字も
書体をあえて変えてます
© 陽佳 2009「神亀 蓬莱山」DH000037.jpg 

微妙な違いをだしつつも
左右対称のフォルムを意識し、
『対もの』感を醸し出しました。

© 陽佳 2009「蓬莱山」DH000088.jpg   © 陽佳 2009「神亀 蓬莱山」DH000039.jpg 



そして、
なによりもあの不在だった仙人が、
もう一つの蓬莱山で
一緒に碁を打っているなんて。。。

© 陽佳 2009「神亀 蓬莱山」DH000044.jpg 


二つ揃うことで、
ますます想像力がかきたてられます。

  
『根付』の新しい楽しみ方なのかも・・・
と気づかされた思い入れのある「対もの」作品です。

厳密に言うと、
この紐穴の空け位置では「根付」とは言えませんが・・・


© 陽佳 2009「神亀 蓬莱山」DH000024.jpg 

DATA
『神亀 蓬莱山』 2009
~ 個人所蔵 ~

 


◆次回は・・・思案中です。。







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プロフィール

根付師 陽佳

Author:根付師 陽佳
            
現代根付を創っています。

地下室で根付を創っている時は
『 根付師 陽佳 』(ねつけし ようか)

ときどき
「 湖 蝶 」(こちょう)
     の名で書や篆刻を創り。

ところにより
「 桃生 蛙子 」(ものう あこ)
    の名で詩や文章を創ります。

心を込めて創った作品を、自ら撮った記録写真。

その画像とともに、作品解説や創作エピソードなど少しずつ綴っていきたいと思います。

◆国際根付彫刻会 会長

◆神戸芸術工科大学 大学院
非常勤講師

◆NHK文化センタ―講師

◆朝日カルチャーセンタ―講師

◆よみうりカルチャー講師

◆和小物ブランド
「小間物屋 徳右ェ門」主催

◆大学の書道科を卒業後、
某S化粧品会社宣伝部に就職、
脱サラして根付師に。

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ご訪問ありがとうございます!
かなりのIT音痴ながらも『ブログ作成入門書』を片手になんとか開設にこぎつけ少しずつ作品の写真を紹介しておりましたが、親の介護でここしばらく更新がストッップしておりました。
2年近くの介護ブランクで、ブログ作成手順をすっかり忘れてしまいましたが、振り出しに戻ったつもりで再びブログ入門書を片手に更新を再スタートさせていきたいと思いますので、何卒よろしくお願い申しあげます。

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