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『根付師 陽佳』、ときどき「湖蝶」、ところにより「桃生蛙子」

根付作品を中心に篆刻作品や書作品を自分で撮った記録写真とともに紹介しております。

Category :  根付師「陽佳」
tag : 
 
十七文字の言葉の中に
無限をとりこむ

俳句

掌 (てのひら)の中に
無限をつめこむ

根付


どちらも日本独自の感性の賜物

その二つを融合すると
さらなる無限が・・・


江戸の俳人
“ 小林一茶 ”
の俳句3つを

ギュッと凝縮して1つの根付に



© 陽佳 2014「一茶三句」P2090001.jpg 

DATA
『 一茶三句 』 2014
鹿角
象嵌あり ( ヘゴ )
ヤシャ染め
3.9 × 3.1 × 3.4 cm
~ 個人蔵 ~




© 陽佳 2014「一茶三句」P2090021.jpg 
© 陽佳 2014「一茶三句」P2090022.jpg 
© 陽佳 2014「一茶三句」P2090023.jpg 
© 陽佳 2014「一茶三句」P2090024.jpg 
© 陽佳 2014「一茶三句」P2090025.jpg 
© 陽佳 2014「一茶三句」P2090026.jpg 
© 陽佳 2014「一茶三句」P2090027.jpg 
© 陽佳 2014「一茶三句」P2090028.jpg 
© 陽佳 2014「一茶三句」P2090029.jpg 
© 陽佳 2014「一茶三句」P2090019.jpg 



「蛙」・「蠅」・「福良雀」を
モチーフにしているので、
もう薄々はお判りかと…
と、言いましても
一茶はかなりの数の句を詠んでいるので、
それぞれのモチーフを詠んだ俳句は
一つ二つではありません

人それぞれ思い浮かべる句は違うかも。


ちなみに私がイメージしたのは
この三句です

≪ 痩蛙 まけるな一茶 是にあり ≫

≪ やれ打な 蠅が手をすり 足をする ≫

≪ 我と来て 遊ぶや親の ない雀 ≫



© 陽佳 2014「一茶三句」P2090049.jpg 



根付のモチーフとして古くから好まれる
縁起の良い
「福良雀(ふくらすずめ)の根付」
の上に、

手足の長い痩せた蛙が
何やら考え深げに
腰を下ろし、

その蛙の背中には
一匹の蠅がとまっている


© 陽佳 2014「一茶三句」P2090040.jpg 
© 陽佳 2014「一茶三句」P2090041.jpg 
福良雀は
仔雀とわかるよう
クチバシは幼鳥の形に


© 陽佳 2014「一茶三句」P2090036.jpg 
© 陽佳 2014「一茶三句」P2090034.jpg 
© 陽佳 2014「一茶三句」P2090035.jpg 

手をすり合わせて・・・


© 陽佳 2014「一茶三句」P2090051.jpg 

蛙と雀の黒い瞳は、
ヘゴという別素材を
嵌め込んでいます

© 陽佳 2014「一茶三句」P2090033.jpg 


鹿の角は、
『鬆(す)』と呼ばれる
血液が通っていた細かいスポンジ状の穴が
中にある構造なので、

その「す」を素材感として
いかに生かしながら
構図に組み入れていくかが、

難しくもあり
楽しくもあり

根付師としての
腕のみせどころかもしれません

© 陽佳 2014「一茶三句」P2090052.jpg 




◆次回は、ひきつづき俳句の根付その2?それとも…




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プロフィール

根付師 陽佳

Author:根付師 陽佳
            
現代根付を創っています。

地下室で根付を創っている時は
『 根付師 陽佳 』(ねつけし ようか)

ときどき
「 湖 蝶 」(こちょう)
     の名で書や篆刻を創り。

ところにより
「 桃生 蛙子 」(ものう あこ)
    の名で詩や文章を創ります。

心を込めて創った作品を、自ら撮った記録写真。

その画像とともに、作品解説や創作エピソードなど少しずつ綴っていきたいと思います。

◆国際根付彫刻会 会長

◆神戸芸術工科大学 大学院
非常勤講師

◆NHK文化センタ―講師

◆朝日カルチャーセンタ―講師

◆よみうりカルチャー講師

◆和小物ブランド
「小間物屋 徳右ェ門」主催

◆大学の書道科を卒業後、
某S化粧品会社宣伝部に就職、
脱サラして根付師に。

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ご訪問ありがとうございます!
かなりのIT音痴ながらも『ブログ作成入門書』を片手になんとか開設にこぎつけ少しずつ作品の写真を紹介しておりましたが、親の介護でここしばらく更新がストッップしておりました。
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