Category :
根付師「陽佳」
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母のお位牌を創りました
生前に母と約束していたのです
「お母さんには、
オシャレで可愛くて、
ちょっと変わったお位牌を
創ってちょうだいね」
と。。。
オシャレで可愛くて、
ちょっと変わったお位牌を
創ってちょうだいね」
と。。。
母とは一緒に「小間物屋徳右ェ門」という
和小物ブランドを立ち上げて、
コラボ作品を創っておりましたので、
やはり母は
いつも何か縫い物をしていたイメージが。
和小物ブランドを立ち上げて、
コラボ作品を創っておりましたので、
やはり母は
いつも何か縫い物をしていたイメージが。
そこで、
お位牌の土台となる部分を、
真っ黒な黒檀という木を使って
縫い物には欠かせない
『糸巻き』
をモチーフに形をつくり、
糸巻きの耳の上部には
絹糸の2文字と
その真ん中に「小間物屋徳右ェ門」の
ブランドロゴ“徳”マークを、
耳の下部には
母の名前を使った
架空の糸ブランド名
“YONEKO印”を
デザインして彫りこみ、
リアル感を出してみました。
お位牌の土台となる部分を、
真っ黒な黒檀という木を使って
縫い物には欠かせない
『糸巻き』
をモチーフに形をつくり、
糸巻きの耳の上部には
絹糸の2文字と
その真ん中に「小間物屋徳右ェ門」の
ブランドロゴ“徳”マークを、
耳の下部には
母の名前を使った
架空の糸ブランド名
“YONEKO印”を
デザインして彫りこみ、
リアル感を出してみました。
もちろん巻いてある糸も
一本一本彫りだして、
最後はちゃんと耳の切り込みに挟んであります
ちなみに
このような状態から、
文字や糸を彫りこんでいきます
このような状態から、
文字や糸を彫りこんでいきます
土台の糸巻きは
真っ黒で堅くツヤのある
「黒檀」を使い
真ん中の受けの部分には、
サディーネという
華やかな紅い色の木材を使って、
蓮の花弁のイメージの彫刻を施し
サディーネという
華やかな紅い色の木材を使って、
蓮の花弁のイメージの彫刻を施し
そして、札板の部分は、
やわらく暖かいピンク色の木材、
ピンクアイボリーを使って
組みあわせました
やわらく暖かいピンク色の木材、
ピンクアイボリーを使って
組みあわせました
他にも仕事柄(根付や篆刻で使うので)
色々な風合いや色調の木材が手元にあるので、
どれをどこに配してどう組み合せるか、
かなり試行錯誤した末、
このバランスが
一番母のイメージにしっくりと!
色々な風合いや色調の木材が手元にあるので、
どれをどこに配してどう組み合せるか、
かなり試行錯誤した末、
このバランスが
一番母のイメージにしっくりと!
大きさも女性用に
あえて少し小ぶりにしております
3つのパーツをそれぞれ成形して、
最後は接着して組み立てます
最後は接着して組み立てます
札板の文字は
和紙に何度も戒名を書き、
一番気に入った文字を選んでから彫りこみ、
金泥と金箔をさしていきました。
漆が扱えればよかったのですが、
あいにく漆はカブレてしまいますので…
和紙に何度も戒名を書き、
一番気に入った文字を選んでから彫りこみ、
金泥と金箔をさしていきました。
漆が扱えればよかったのですが、
あいにく漆はカブレてしまいますので…
戒名の上の梵字は
「夜光貝」を切り抜いて象嵌し、
落ち着いた華やかさを出しています。
ピンクアイボリーという木材は、
空気に触れると
経年変化で色が変わってきますので、
おそらくこの夜光貝の梵字が
先々とても活きてくるかと♪
空気に触れると
経年変化で色が変わってきますので、
おそらくこの夜光貝の梵字が
先々とても活きてくるかと♪
そして最後に
出来上がった3つのパーツを
接着して組み上げ、
艶出しの磨きをかけて完成です。
この後、
四十九日の御法要で
御坊様に御霊入れをしていただいてから
お仏壇に安置いたしました。
思いのほか時間が掛かり
四十九日までに仕上がるか
ヒヤヒヤで。。。
四十九日の御法要で
御坊様に御霊入れをしていただいてから
お仏壇に安置いたしました。
思いのほか時間が掛かり
四十九日までに仕上がるか
ヒヤヒヤで。。。
お位牌をはじめて依頼されて創ったのは、かれこれもう8年前ぐらいでしょうか。
もともと書と篆刻は専門でしたので、それ以前にも墓石に刻む文字を書いて欲しいというご依頼などはありましたが、根付師になってからは、材料もあり、彫刻もでき、文字が書け、象嵌もできる・・・なるほどお位牌も創れるのだと。
最近はモダンなお位牌を好む方が増えてきたようです。
ただ、宗派などで決まり事もあるようですので、お位牌を創る際は、必ず事前に供養をしていただくお寺の御坊様に、色々細かく確認を取って調べてから作り始めます。
なお、ここに載せておりますお位牌の写真は、すべて『御霊入れ』の前に撮ったものでございますので、お位牌そのものはまだ中身の入っていない空っぽの入れ物の状態ですのでどうかご安心を。
とはいえ、さすがに人様のご依頼のお位牌の製作工程をブロブでご紹介することはとてもできませんが、何よりブログの記事を楽しみにしていた母ですので、自分の位牌がアップされ、きっととても喜んでいると思います。
◆次回は、久々に根付を・・・
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