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『根付師 陽佳』、ときどき「湖蝶」、ところにより「桃生蛙子」

根付作品を中心に篆刻作品や書作品を自分で撮った記録写真とともに紹介しております。

Category :  根付師「陽佳」
tag : 
 

子供の頃から「金魚」好きです


小さい頃、
夜店の金魚掬いで掬った金魚は
家の水槽の中で驚くほど大きくなりましたが、
美しい紅色はそのままに
育ってくれていた記憶があります


長方形の水槽でしたので、
丸いガラスの金魚鉢の中で
ゆらゆらと尾ひれを漂わせている
金魚の姿に
あこがれがあり、
その姿のイメージ(妄想?)をカタチにしたのが
この根付


©️2015陽佳「恋する金魚」1-147.jpg

DATA
『恋する金魚』2015
鹿角
天然染料仕上げ:茜染め、ヤシャ染め
象嵌:鼈甲、金箔、ヘゴ、白蝶貝
5.2 × 2.4 × 2.5 cm
〜個人所蔵〜

すずらんの花を逆さまにしたような
丸いガラスの鉢の水底で
ほおづえをつき
水面を見上げて物思いにふける
長い尾鰭の
美しい紅色の金魚



©️2015陽佳「恋する金魚」1-171.jpg


©️2015陽佳「恋する金魚」1-168.jpg


長い尾びれだけを水中にゆらゆらと漂わせる可憐な
“ 恋大き金魚 ” です


©️2015陽佳「恋する金魚」1-169.jpg


限られた材料の幅の中で、
水中に漂う尾びれの浮遊感を
根付としての強度を保持しつつ
どれだけ表現できるかが
この作品の課題でした

©️2015陽佳「恋する金魚」1-173.jpg


金魚のフォルムの邪魔をしないような
自然な空間を生かした紐通し穴になっています

©️2015陽佳「恋する金魚」1-167.jpg


金魚鉢の外の世界に恋焦がれているのか、
それともガラス越しに見える何かに憧れているのか、
上目遣いに水面を見上げるその姿に
様々な想像が広がるかと


©️2015陽佳「恋する金魚」1-174.jpg

根付は四方八方どこから見ても
味わいがあるように彫刻を施されているのが
醍醐味の一つでもありますので、
お腹も鱗ビッシリです

果たして何枚の鱗を彫ったのか
うっかり忘れて数えておかなかったのですが、
鱗彫り好きとしては至福のモチーフです


©️2015陽佳「恋する金魚」1-175.jpg

金箔貼りの目玉がキラキラと水底で輝きます


根付師になってからかれこれ二十数年、
いくつもの“金魚の根付”を創っておりますが、
振り返ってみますと
「鹿の角」で創った金魚は
今のところこの作品一体かと


©️2015陽佳「恋する金魚」1-176.jpg

久しく金魚を彫ってないので、
この記事を書きながら
また鹿角で金魚を創りたくなってしまいました


◆スマホで撮った制作過程の画像は note の記事に投稿しておりますので、よろしければそちらもご覧くださいませ。

noteへはこちらから入れます
note.com/netsuke_artist/








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プロフィール

根付師 陽佳

Author:根付師 陽佳
            
現代根付を創っています。

地下室で根付を創っている時は
『 根付師 陽佳 』(ねつけし ようか)

ときどき
「 湖 蝶 」(こちょう)
     の名で書や篆刻を創り。

ところにより
「 桃生 蛙子 」(ものう あこ)
    の名で詩や文章を創ります。

心を込めて創った作品を、自ら撮った記録写真。

その画像とともに、作品解説や創作エピソードなど少しずつ綴っていきたいと思います。

◆国際根付彫刻会 会長

◆神戸芸術工科大学 大学院
非常勤講師

◆NHK文化センタ―講師

◆朝日カルチャーセンタ―講師

◆よみうりカルチャー講師

◆和小物ブランド
「小間物屋 徳右ェ門」主催

◆大学の書道科を卒業後、
某S化粧品会社宣伝部に就職、
脱サラして根付師に。

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ご訪問ありがとうございます!
かなりのIT音痴ながらも『ブログ作成入門書』を片手になんとか開設にこぎつけ少しずつ作品の写真を紹介しておりましたが、親の介護でここしばらく更新がストッップしておりました。
2年近くの介護ブランクで、ブログ作成手順をすっかり忘れてしまいましたが、振り出しに戻ったつもりで再びブログ入門書を片手に更新を再スタートさせていきたいと思いますので、何卒よろしくお願い申しあげます。

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