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『根付師 陽佳』、ときどき「湖蝶」、ところにより「桃生蛙子」

根付作品を中心に篆刻作品や書作品を自分で撮った記録写真とともに紹介しております。

Category :  根付師「陽佳」
tag : 
 

歌舞伎好きです。

歌舞伎十八番の演目の一つ、
「助六由縁江戸桜」の助六を根付にしました



©️ 2020 陽佳「歌舞伎十八番 助六」L1040268-2.jpg 
DATA

「歌舞伎十八番 助六」2020
3.3 ✖️ 3.7 ✖️ 1.8 cm   
〜個人蔵〜


歌舞伎は江戸時代から人気のエンターテイメントで
当時の浮世絵にも数多く描かれ世界的にも有名ですが、
もちろん根付の題材としても人気があり、
多くの根付師の手により
さまざまな歌舞伎根付が創られております。
実はひそかに?歌舞伎好きなもので、
2009年の「歌舞伎十八番 象引」を皮切りに
私なりの歌舞伎根付をいくつか創っておりますが、
ここ数年の介護生活で
なかなか創ることができませんでしたので、
本当に久々の歌舞伎根付の新作となりました。

©️ 2020 陽佳「歌舞伎十八番 助六 」L1040271-2.jpg  

歌舞伎の衣装は舞台で映えるように
華やかな色彩が常でありますが、
あえて助六カラーの紫は用いず、
昔から根付の染めに使われている
“ヤシャ染め”だけを使い、
掛け合わせる媒染の組み合わせと
彫りの変化で
衣装の質感とコントラストを表現しました。

©️ 2020 陽佳「歌舞伎十八番 助六」L1040273.jpg 
©️ 2020 陽佳「歌舞伎十八番 助六」L1040277.jpg 
©️ 2020 陽佳「歌舞伎十八番 助六」L1040279.jpg 
©️ 2020 陽佳「歌舞伎十八番 助六」L1040282.jpg 

「隈取り」と
腰の「牡丹の根付」の
紅色のベンガラが、
華やかさを出すとともに
全体の色調を引き締めています。
©️ 2020 陽佳「歌舞伎十八番 助六」L1040306.jpg 



根付は置物と違い、
腰に提げ、
そして掌で愛玩する実用美術品でもありますので、
全角度から楽しめるよう
「スキなく」彫刻を施します。

舞台ではなかなか見ることのできない
足裏の部分も想像とデフォルメを駆使して彫っております。
©️ 2020 陽佳「歌舞伎十八番 助六」L1040286.jpg 


根付ならではの
工夫やポイントや隠し技?、
苦労した点などの詳しい解説は、
今後は閲覧しやすい別の形でまとめて発信したいと思い、
ただいま「note」を製作中でございます。
こちらのブログでは作品紹介を中心にすることで、
マメに更新をしていければと思っております。

note開設いたしました!
こちらからnoteのページに入れます

根付師 陽佳 YOKA Mukaida
note.com/netsuke_artist/

 
◆介護ブランクも少しずつ乗り越えてきましたので、今年は以前のようなペースでブログを発信していきたいと願い、
まずは年賀状にもいたしましたこの「助六」を皮切りに、
新たな思いで再スタートさせていただきます。
拙いブログではございますが、
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

©️ 2020 陽佳「歌舞伎十八番 助六」L1040270.jpg 






 

宝珠を掴み、天へと登っていく白龍
その姿を印の周囲に留めてみました


©️2011陽佳「玉龍」image259.jpg 


 DATA
篆刻印
「玉龍」2011
象牙
〜個人所蔵〜


瑞雲をかき分けながら
天空を駆け登る龍

その姿を
柔らかいフォルムの印の周りに
ぐるりと彫り出してみました



©️2011陽佳「玉龍」image257.jpg 

©️2011陽佳「玉龍」mage255.jpg 
©️2011陽佳「玉龍」mage253.jpg 

©️2011陽佳「玉龍」mage251.jpg 






©️2011陽佳「玉龍」image246.jpg 

印には、
押印するときの方向を確認するたの
「サグリ」と呼ばれるシルシがありますが

あたかも龍が天空に輝く玉を目指しているかのように
そのサグリを白蝶貝で象嵌しました

袴(ハカマ)【←印面を保護するカバー】は、
蓬莱山を据える台座のごとく、
品良く薄く仕立て、
正絹の小袋は
更紗風の柄の縮緬を使い
紫の組紐と合わせました

文房四宝は“筆墨硯紙”を指し示すので
「印」はそこには入りませんが、
印は古来よりただ押すだけの実用品としてのほか、
机に置いて眺めを楽しみ、
手で撫でてその感触を味わう
愛玩物でもありましたので、

そういう点では
「根付」
とごくごく近い気がいたします。


使う方がふと手にとり触って撫でて大事に育てていってくださる…

創り手としてはこんなに嬉しい事ございません




♦︎次回は季節に合った根付を…










鳥好きです。

それなのに意外と鳥の根付を
あまり創ってないことに気がつきました…
なぜ?と考えてみたところ、
おそらくですが
鳥は翼と脚のまとめ方が難しいのかと。

いわゆる鳥の“彫刻”でしたら、
いかようにも翼と脚を自由に伸ばせるのですが、
“根付”となりますと突起部分がなく、
掌におさまるフォルムにデフォルメ
させなければならないので、
かなり難易度が高くなります。

いかに違和感なくデフォルメさせて
根付という形態に魅力的にまとめ上げるかが、
苦しくもあり、
楽しくもあり、
根付師としての永遠の課題かもしれません。

数少ない鳥の根付の中から、
鳥好きには堪らない可愛い子を


©️陽佳2010「小櫻」DH000124.jpg

DATA
『小櫻』2010
3.4 × 2.6. × 2.1cm
〜京都清宗根付館 所蔵〜



あえて特定の種類の鳥にはせず、
頭の中にある
「ちょっとイタズラな可愛い小鳥」
をイメージした作品です。

櫻の季節になると、
鳥が食い切った櫻の花の部分が
よく落ちております。

我が家の近くでは
ワカケホンセイインコやズズメが
花を咥えては落としている姿をみかけるのですが

そのイメージから、
可愛いインコの幼鳥が
咲き始めの櫻花を口に咥えて
コロンと転がって遊んでいる様子を
根付にしました。

これから咲く花を啄ばんでしまったのを見られ、
怒られると思ったのか
思わず左の翼で
ちょっと顔を隠すような仕種をさせてみました。

©️陽佳2010「小櫻」DH000125.jpg

©️陽佳2010「小櫻」DH000127.jpg

©️陽佳2010「小櫻」DH000128.jpg

©️陽佳2010「小櫻」DH000130.jpg

©️陽佳2010「小櫻」DH000133.jpg

©️陽佳2010「小櫻」DH000135.jpg

©️陽佳2010「小櫻」DH000137.jpg

©️陽佳2010「小櫻」DH000138.jpg

©️陽佳2010「小櫻」DH000139.jpg

©️陽佳2010「小櫻」DH000141.jpg



左羽に櫻の花びらを薄ピンク色の貝で象嵌し、
そこに銘を入れています

©️陽佳2010「小櫻」DH000144.jpg


紐通しの二つの穴のうち、
結び目を収める大きい紐溜め用の穴は
羽の流れと違和感がないようにあえて有機的な楕円形に

©️陽佳2010「小櫻」DH000143.jpg

根付として腰につけておさまりが良いのはもちろん、
女性が首から提げて身に付けられるよう
バランスを考えて穴を開けてあります。

©️陽佳2010「小櫻」DH000146.jpg

そして何よりどの角度から見ても
鳥好きにはたまらない可愛いさ


©️陽佳2010「小櫻」DH000148.jpg

また、鳥の根付を創りたくなってきました…


♦︎新しいPC操作にも少しずつ慣れてきました。次回はひきつづき根付、もしくはひさびさに篆刻を、あまり間をあけずにアップしたいと思っております。

Category :  根付師「陽佳」
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まずはこんなイメージ写真を

©️陽佳 2019「蝉脱」L1000795-2.jpg

DATA
『蝉脱(せんだつ)』2019
黄楊(つげ)
象嵌なし
ヤシャ染め・顔料
3.5✖︎3.3✖︎2.0 cm



作品の写真を、より鮮明に、より効果的に撮せるよう、目下色々な方に教えていただいております。

今まではあくまで記録写真としてカラーのみの写真だけを撮っておりましたが、作品によっては記録写真とは別に、ポストカードやまた額装して壁に飾って楽しめるようなイメージ優先の作品写真も残していきたいと思っております。

先ずは、最近池袋西武の根付展に出品した根付『蝉脱(せんだつ)』をモノクロームで。
蝉好きの私としては、このようなモノクロ写真をかなり大きく伸ばして部屋の壁に掛けたいと。。。


♦︎作品「蝉脱」の詳細については、また次回以降アップしていく予定でございます。
また、PCがMacに変わり、以前のようなレイアウトにする事がまだできませんので、当面はこのような左寄せとなるかと…
Category :  根付師「陽佳」
tag : 
ご無沙汰しております

制作手元


およそ1年ちかく、ここブログ上も介護休暇?状態となっておりましたが、ようやく再開できる環境となってまいりました。
パソコンも新しくなりましたので、心機一転更新再開していきたいと思います。
「根付」や「書&篆刻」のほか、一人で再スタートさせる「小間物屋徳右エ門」の話、そして「根付師に至る道のり」など、制作に関わるあれこれを発信していく予定でおります。

今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます。

プロフィール

根付師 陽佳

Author:根付師 陽佳
            
現代根付を創っています。

地下室で根付を創っている時は
『 根付師 陽佳 』(ねつけし ようか)

ときどき
「 湖 蝶 」(こちょう)
     の名で書や篆刻を創り。

ところにより
「 桃生 蛙子 」(ものう あこ)
    の名で詩や文章を創ります。

心を込めて創った作品を、自ら撮った記録写真。

その画像とともに、作品解説や創作エピソードなど少しずつ綴っていきたいと思います。

◆国際根付彫刻会 会長

◆神戸芸術工科大学 大学院
非常勤講師

◆NHK文化センタ―講師

◆朝日カルチャーセンタ―講師

◆よみうりカルチャー講師

◆和小物ブランド
「小間物屋 徳右ェ門」主催

◆大学の書道科を卒業後、
某S化粧品会社宣伝部に就職、
脱サラして根付師に。

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ご訪問ありがとうございます!
かなりのIT音痴ながらも『ブログ作成入門書』を片手になんとか開設にこぎつけ少しずつ作品の写真を紹介しておりましたが、親の介護でここしばらく更新がストッップしておりました。
2年近くの介護ブランクで、ブログ作成手順をすっかり忘れてしまいましたが、振り出しに戻ったつもりで再びブログ入門書を片手に更新を再スタートさせていきたいと思いますので、何卒よろしくお願い申しあげます。

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